株式会社 弘優社

着手金無料。成功報酬型のM&A。

弊社は、中小零細企業を対象にM&Aの支援事業を行っております。
設立会社延べ30社余り、40年以上にわたって経験を積み上げてきました。

価値ある事業と事業を繋ぎ、新しい価値を創造。
数少ない中小零細企業のM&Aに特化した会社として、あらゆるご相談に対応します。
M&Aサービス

お客様に寄り添い、さまざまな経営課題を解決します。

成長戦略の推進

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後継者不在の解決

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業界の先行き不安の解消

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事業の戦略的再編

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株式会社 弘優社

についてはこちらをご覧ください。

お知らせ

2025.06.09

社長の引退時期

経営者は「いつ引退すべきか?」
という問いに対して、様々な考え方があります。 
 「生涯現役」を掲げる人もいますが、現実には高齢化や後継者不在が深刻化しており
 企業継承は避けて通れない課題となっています。

現在、日本の社長の平均年齢は63歳を超え、60代以上が60%以上、70代以上も3割以上を占める状況です。
また、後継者不足による倒産も過去最多を記録し、M&Aの市場が急拡大しています。

こうした中で、成功した継承事例として紹介されたのが、「ジャパネットたかた」の創業者・高田明氏です。
2015年、長男に社長職を譲った背景には、若手と長男が考案した「チャレンジデー」という販促企画の成功がありました。
この出来事により、自分の判断が常に正しいとは限らないと痛感し、円滑な世代交代を実現。その後、会社はさらに業績を伸ばしました。

もう一人の例として、ファインドスターグループの内藤氏が紹介されています。
売上が停滞する中、思い切って社長交代を決断した結果、5年で年商300億円を突破。本人は「経営者としての自信を失った」と語っていますが、会社の成長を第一に考えた決断でした。

ここで重要なのが、「企業家」「事業家」「経営者」それぞれの役割の違いです。

企業家(起業家):ゼロから新しい価値を創造し、アイデアを形にするのが得意。いわば「0 → 1」を生み出す人。

事業家:起業家の立ち上げたサービスを軌道に乗せ、収益化・仕組み化して広げていく「1 → 10」の担い手。

経営者:複数の事業を管理・展開しながら、組織を安定・成長させる「10 → 100」のリーダー。

つまり、会社の成長段階ごとに求められる人物像が異なります。
一人の人が全てを担うのは難しく、時には自分の役割を見極めてバトンを渡す判断も必要です。

経営が苦手と感じるなら、「プロ経営者」に任せるという選択肢もあります。
何よりも大切なのは、自分ではなく、会社の成長を最優先に考える姿勢です。
2025.02.23

第二会社方式のデメリット

●代表者個人の連帯保証責任が現実化する
→多くの場合、個人も自己破産

●事業に伴う許認可は引き継げない場合も有る

●取引先、顧客の引継ぎが必要となる場合も有る

●新会社の代表者・株主は他の人に変える必要が有る
2025.02.21

第二会社方式による事業再生のメリット

1.事業(店舗)の全部又はその一部を引継ぎできる

2.銀行ローン、未払金はゼロに出来る

3.税金関係(社会保険を含む)も無くなる

4.最短3ケ月程度で実施できる

5.業種は問わない
2025.02.19

第二会社方式による事業再生

M&A等を検討する時に自社に多額の負債、公租公課の遅延・滞納等が有ると
懸念材料となり躊躇する事が有ります。
その時の解決策の一例として第二会社(新会社)を設立して、そちらに残したい事業のみを移動して
新会社をM&Aするか又はご自身で経営するかの選択が出来る優れた再生方法です。

第二会社方式による事業再生とは

過剰債務を抱えて経営難に陥っている会社から、採算性の良い事業を別会社(第二会社)へ分離して
事業再生を図る手法を「第二会社方式」といいます。

第二会社方式では、優良事業の存続を図り、不採算事業や過剰債務が残された旧会社を清算します。
2024.04.07

「会社分割」はM&Aの有力な手法

M&Aの手法の一つに「会社分割」と言われる方法があります。

簡単にいえば、事業の一部あるいは全部をほかの会社に承継させる手法で
M&Aが難しい中小規模の会社でもグループ再編に利用しやすいとされています。


「会社分割」

M&Aの手段のひとつである会社分割とは
会社の一部、あるいは全部の事業を切り出して売却することです。

一部の事業だけを売却したい場合は、次の二つの方法があります。

① 売却する事業だけを切り出して売る方法(吸収分割)
② 残したい事業を別会社にして、会社を二つに分けて売りたい会社だけ売る方法(新設分割)

他の会社に包括的に事業承継するという点では合併と同じですが
会社分割の場合はM&A成立後、分割を行なった会社は消滅せず
別事業の運営主体として引き続き存続することになります。

会社分割の2つの種類


会社分割は、新規設立した会社へ承継する「新設分割」と
既存の会社へ事業を承継する「吸収分割」の2つに分類できます。


新設分割

新たに会社を設立して、その会社の事業の一部または全部を分割し、新たに設立する会社に承継させる方法

承継させる側の会社を「分割会社」、権利義務を引き継ぐ側の会社を新設分割する場合は「新設分割会社」と呼びます。


吸収分割

売りたい事業を分割し、既存のほかの会社に吸収させる方法です。

新設分割と同様、承継させる側の会社を「分割会社」と呼びますが
権利義務を引き継ぐ側の会社を吸収分割する場合は「承継会社」と呼びます。

吸収分割の場合は、承継の対価が株式発行であるほか、金銭など株式以外の財産交付も可能になります。

会社分割の手続きの類型

新設分割の場合、分社方法によって「人的分割」「物的分割」の2種類に分けられます。

物的分割

事業を承継した会社が発行する新株式を、その事業を譲渡した会社自身が取得する方法です。

物的分割の場合、子会社の株主は親会社となるため、会社を売却した代金は親会社に入ります。

このように親会社に代金が入る場合、その代金は営業外収益になって営業利益と通算し、法人の所得として課税の問題が発生するので、注意しましょう。

人的分割

切り出しだ事業を継承させた会社の株主に、その事業を取得させる方法です。

人的分割の場合、どちらの会社も同じ株主となっているため、会社を売却した代金は株主のもとに入ります。

なお、株式売却益に対する税金が株主に発生します。

会社分割の手続き


会社分割の流れは会社法で定められており、次の通りです。

① 分割契約書の作成と取締役会での承認と締結
最初に進める手続きは、分割契約書の作成です。
これは新設分割と吸収分割、どちらにも必要な手続きです。

各社の取締役会での決議で承認が得られたら、分割契約書を締結します。
ただし、決議の承認が必要なのは、取締役会設置会社のみです。

② 分割内容の事前開示・備置き
分割契約の締結後は、分割契約および分割計画書で定めたことを
書面または電磁的記録で備え置く必要があります。

書面の備置きの期間は、債権者や株主への通知または公告の日から
分割の効力発生後6ヶ月と定められています。

③ 労働者・労働組合への通知
会社分割では、従業員を承継する場合もあります。
この場合は労働契約承継法に定められた従業員や労働組合への通知義務があります。

ただし、吸収分割の場合は分割会社のみが通知義務を負います。

④ 株主総会における承認決議
原則として、分割会社や承継会社は会社分割の効力発生日の前日までに
株主総会の特別決議で分割契約および分割計画の承認を受けなければなりません。

ただし、場合によっては略式手続や簡易手続も可能です。

⑤ 反対株主や新株予約権者への通知・公告
反対株主や新株予約権者へ通知と公告を行ないます。

新株予約権では、新株予約権者を保護するために買取請求が認められています。

そのため、株主総会の決議を行った日から2週間以内には
分割会社の新株予約権者に通知と公告を行ないましょう。

⑥ 債権者保護手続きと株主への通知・公告
新設分割や吸収分割を選択した場合、会社分割に異議申し立てをする債権者に対して
債権者保護手続きの必要があります。

効力発生日の1ヶ月以上前に公告・催告をして、効力の発生日までに手続きを完了させなければなりません。

承継会社は株主に対して通知と公告を行ないます。手続きの期間に余裕をもって計画を進めましょう。

⑦ 会社分割の効力発生
ここまでの手続きを経て効力発生日を迎えると、会社分割が正式に成立します。
この段階でも書類の備え付けを忘れずに行ないましょう。

⑧ 会社分割に関する書面等の本店備置き
会社分割の成立後は、効力発生日から2週間以内に、分割に関する書面を本店に備え付けなければなりません。

株主や債権者とのコミュニケーションにも注意が必要です。

⑨ 登記
登記申請が行われ、変更や設立が法的に確定します。
新設分割と吸収分割では異なる手続きが必要なので、専門家を頼りながら適切に進めましょう。

新設分割では、効力発生日から2週間以内に分割会社の変更登記、新設分割会社の設立登記をしなければなりません。

一方で吸収分割では、効力発生日から2週間以内に分割登記を行ないます。

会社分割のメリットとデメリット


会社分割のメリットとデメリット。

会社分割のメリット

会社分割の大きなメリットは、資産や負債も分割できる点です。

会社分割を行う事で新会社に負債を引き継がずに済みます。
従って新会社は不良債権が無い健全な財務体質でスタートする事が出来ます。

又、買い手にとっては不要な事業や負債を引き継がずに済むのは大きなメリットといえるでしょう。

会社分割のデメリット

会社分割のデメリットは、手続きが非常に煩雑で時間がかかることです。
実施する場合このスキームを理解した専門家と共に進める事が大切です。
2024.03.03

オーナー経営者様の「終活」

どんな経営者でも年齢を重ねる中で
気力や体力は少しずつ衰えてきます。

そしていつか引退する日がやってきます。


コロ禍以降、オーナー社長様から

「融資を受けてまで会社を続けるべきか?」
「借入があっても引き受け手はいるだろうか?」
「リタイヤも考えているが、残る借金やその後の収入が不安」

といったご相談がとても増えました。

リタイヤする場合も、事業継続する場合も
ネックになるのが残存債務です。

会社のご状況にもよりますが
取れる選択肢に限りがあることが多く

①できるだけ早く現状を整理し
②なるべく多く選択肢があるうちに
③理想に近い選択肢を選んで頂き
③早目に金融機関と話し合いを始める

ことが大切になります。

リタイヤか?事業継続か?


連帯保証と借金を背負いながら
会社を家族を従業員を
引っ張ってきた社長様です。

多くのオ-ナ-経営様がおっしゃるのが

「将来のことなんてゆっくり考える機会が無かった」
「やっと肩の荷がおりそうです」

という安堵の言葉です。

社長様の理想は本当に様々です。

引き継いだ後も会社に関わり応援したい

引退したあとも何かしらの形で携わりたいという
社長様が多くいらっしゃいます。
相談役や顧問等、様々な関わり方があります。

起業歴40年余りの私が社長様にぴったりの関わり方をご提案させて頂きます。


経営や保証の重責から解放され自分の時間を過ごしたい

長年の経営の重責や、金融機関の借入に対する保証など
オーナー社長様は多くの負担を背負ってきました。

ご負担解消への道筋をが提案させて頂きます。
2024.02.07

M&A 買い手側メリット

経営者のメリット

・スピード感をもって事業展開を行うことができ、時間を買うことができる
 →M&Aや事業承継をすることで、ゼロから設立して広告宣伝・販路開拓や採用などをする必要がなくなるため
 スピード感をもって事業展開できる。つまりお金で時間を買うことができます。
 
・起業する時に一番のリスクは01の時です。

 →通常、会社設立から収益獲得まで多額の資金を投じますが
 M&Aや事業承継をすることですでに完成した会社を譲り受ることができます。
 結果、資金負担も少なくなります。

・他社を譲り受けることで、多角化経営の新たな一歩を行うことができる
 →自社のみでは資金的・人員的・時間的問題などがから新たな事業展開ができない場合でも
 M&Aや事業承継をすることでスムーズな多角化経営を実行でき
 結果、多角化による収益の安定を目指すことができます

社会貢献のメリット

売り手と同様ですが、自身がM&Aや事業承継をしないと地域社会が衰退してしまうので
買い手はより強く地域社会への貢献を実感できます。

事業面のメリット

・譲受企業との相乗効果や後継者への譲渡により事業の成長・拡大、収益改善が見込める
・譲受企業との経営統合により、経営資源の充実が期待できる
・経営資源の節約で、譲渡企業にとって自社単体では難しかった課題解決の期待ができる
→上記3点は売り手と同様です。

・他社の特許やブランド、知見、ノウハウ・仕組みなどを引き継げるため、事業の加速につながる
 →M&Aや事業承継のスキーム・交渉によっては特許権やブランドを引き継ぐことができます。
 その結果、M&Aや事業承継をしないと決して手に入れることができなかった特許権やブランドを取得でき
 加えてそのノウハウや仕組みも得ることができます。
・同業他社を買うことで、マーケットの占有率があがり価格競争に巻き込まれにくくなる。
 ブランドの確立を見込める
 →仮に同じ市場で競合他社が複数いる場合、同業他社をM&Aや事業承継をすることで
 自社のマーケットの占有率が上がり結果、価格のコントロールがしやすくなります。
 更に同じ業界の占有率が上がれば知名度も上がりブランドの確立・向上を見込め
 更なる発展を目指すことができます。


以上が一般的なM&Aや事業承継のメリットになります。
上記メリットをより享受できる案件を探して自社の発展にM&Aや事業承継を生かされてはいかがでしょうか。
2024.01.28

M&Aにおける売り手側のメリット

経営者のメリット

・弊社ではインタ-ネットマッチングを採用しているため
 後継者を広範囲から探すことができる。
 →通常であれば、自社か知人からしか探すことができない後継者候補を
 インタ-ネットを通じて短期間により多くの方に後継者候補となる機会があります。

・会社を更に発展させることができる。
 →自分や自社単独では困難な事柄も、その領域に知見を持っている後継者を探すことで
 自社の更なる発展を見込める

・経営者の退職金代わりとなる。

 →株式会社を解散するには、会社の清算手続きをしなけらばならず
 その清算手続きには、登記・決算と承認、残余財産の分配(債務の支払い等)
 準確定申告、再度の登記、届出をしなければなりません。
 そしてその際に専門家への手数料がかかります。
 店舗ビジネスの場合は、当然店舗の原状回復義務が有るので
 そのコストもかかります。
 時間と多額のコストをかけて解散するのですが、M&Aや事業承継をした場合は
 当然そのコストはかからず、企業価値がつけば売却代金がオーナーには支払われるので
 解散するよりも自分の手残りが多くなります。
 結果的に、経営者の退職金となるでしょう。

②社会貢献のメリット

・従業員の雇用維持
 →後継者がいないまま会社が解散となった場合、当然従業の雇用は失われます。
 今まで働いてくれていた従業員のためにも解散とする前に
 M&Aや事業承継を選択肢として入れておくことが従業員のためにもなるのではないでしょうか。

・事業継続によるサプライチェーンの保護

 →会社が解散となった場合、そこに関連する取引先全てに影響があります。
 債権は回収できず、債務は未払いとなるだけでなく、その会社だけが作っている商材や知識
 経験や関係性、販路などがありますので、解散は自社だけの問題ではないのです。
 M&Aや事業承継をすることで会社を維持することができますので
 取引先の連鎖倒産等を防ぐことができます。

・地域経済の維持・向上

 →会社が解散すると当然地域経済の雇用は喪失し、さらには取引先にも影響があります。
 すると、周辺地域の税収は当然減少しインフラに回る資金が減るうえ
 就職などのために他の地域に移る方もいるでしょう。
 その結果、更なる地域経済の低下を招く恐れがあります。
 しかし、M&Aや事業承継をすることで会社を維持することができるので
 未然にそのリスクを防ぐことができます。

③事業面のメリット

・譲受企業との相乗効果や後継者への譲渡により事業の成長・拡大、収益改善が見込める
 →同じ業種の川上企業や、川下企業とM&Aや事業承継をすることで
 (例えば、卸売が製造業と小売業を買う等)、取引コストの削減やサービス・品質の向上
 シナジーの創出などを見込むことができ、結果、事業の成長発展に寄与することができます。
・譲受企業との経営統合により、経営資源の充実が期待できる
 →自社では不足している部署や設備などを持っている会社をM&Aや事業承継をすることで
 不足を補うことができます。
・経営資源の節約で、譲渡企業にとって自社単体では難しかった課題解決の期待ができる
 →例えば、単独では赤字を解消することが困難でも、M&Aや事業承継をして
 管理部門などを統合しコストを削減することで黒字転換することができます。
2024.01.20

買い手 契約締結・クロージング手続きの流れ

⑴デューデリジェンスの実施の結果を踏まえて、最終条件交渉

⑵クロージング条件の設定

⑶最終契約の締結

⑷クロージング準備

⑸M&A対価の支払い、クロージング


⑴ デューデリジェンスの実施の結果を踏まえて、最終条件交渉について

買い手は、デューデリジェンスで発見したリスクに基づいて買収価格やM&Aスキームを見直し
売り手に対しリスク低減策の実行や表明保証などの設定を提案します。
ここでの交渉が最後の交渉となりますので、慎重に交渉をしましょう。

ここでのポイント

今後の従業員の雇用が継続されるかどうか、給与水準や保険、待遇など、売り手にとって
買い手に守ってほしい事項について交渉で明確にしておく必要があります。
買い手としては、それを受けられるかを確認しましょう。

特に買い手のポイントとしてはキーマンやそのビジネスの強みがちゃんと
買った後も効果を発揮できるように最終交渉をします。
特に中小企業だと、ある一人がいなくなると急に会社が回らなくなることがありますので
その方がちゃんと引き続き勤務してくれるかを確認する必要がありますが
その前に最終契約やクロージングの条件に加えておくことが事故防止となります。

そして、この段階での条件交渉ではあまりに多くの譲渡の条件を追加で提示することは避ける方がよいでしょう。なぜならこの段階での条件の追加は難しいことが多いためです。
すでに基本合意でまとまっているにも関わらず、条件を追加したり、再度の譲渡価額の交渉は
譲受企業に不信感を与えることになりかねません。
またこのような条件交渉は、対面でするのは双方言いたいことも言えず難しいことが多いので
仲介やアドバイザーに頼む方が結果的に交渉がスムーズにいきます。

ここの他の大事なポイントは、M&Aで自分が何を重視しているか、相手が何を重視しているか
何を得るためにこのM&Aを検討しているか、改めて考えて、双方の本音を知ることです。

⑵ クロージング条件の設定

クロージングの前提条件とは、M&Aを実行する際の譲れない条件を言います。
つまり言い換えるとM&Aを実行するための前提条件です。
具体的には、クロージング日までの誓約事項が履行されていることや
各種法律上の手続きが完了していること、業務上の許認可の取得がなされていることなどがあります。
それが実行されないとそもそもM&Aの意味をなさないためこのような条件を設定します。

一方の当事者がいずれかの前提条件に違反した場合
他方の当事者には契約を解除する権利が与えられることになります。

ここでのポイント

ここでは、まず「クロージング条件」の設定が重要なポイントになります。
M&Aの最終契約の締結からクロージングまでは
クロージングの前提条件を満たすために必要な手続きを行う必要があるため
それに要する一定期間を空けるのが一般的です。
ただし、最終契約締結日までにクロージングに必要な全ての手続きが完了している場合は
同日に実施することもあります。

クロージングと一口に言っても、実際にはさまざまな手続きが必要になります。
具体的には、重要な取引先との契約を承継するための同意の取得、事業に必要な許認可の取得
役員に対する借入金の返済などを行ったりします。
両者が安心・安全なM&A/事業承継を進められるために
実際の契約書では、譲渡価格等の条件だけでなく、クロージング条件や相手方に対する表明・保証
誓約事項等、数多くの事項について、特約として追加して定める必要があるため
通常の売買契約書に比べボリュームのある内容になります。

それらのクロージング条件が満たされた場合のみ、譲渡がなされます。
そのためクロージング条件を漏れなく設定して達成することと
その内容を契約書へ反映させることがより良いM&A実現の大事なポイントです。
⑴に記載したキーマンがちゃんと引き継がれるかなどをこのクロージングの条件に入れておくことが重要です。

そして、その条件を反映させた最終契約書(DefinitiveAgreement、通称「DA」)とは
M&Aの最終段階において締結される、当事者間の最終的な合意事項を定めた最も重要な契約書です。
最終契約書は、これまでの当事者の交渉を通じて確定した合意事項をすべて盛り込んだものです。
契約当事者の一方が最終契約書の内容に違反し、当該違反により他方当事者に損害が生じた場合には
当該違反をした当事者に対し、損害賠償請求ができる旨が定められた法的拘束力を持つ契約となります。
 
ここのポイントとして、必要な表明保証や各条件が適切に最終契約に反映されていることを必ず確認しましょう。契約書に記載がない条件はないものとされますので注意が必要です。

買い手として注意する必要がある点は、表明保証に入れればなんでも大丈夫!という考えは危険です。
もちろん表明保証に加えることで、相手方に損害賠償請求することができますが
仮に損害賠償請求しても相手方にお金がなくて払えなければその債権はあってないようなものです。
特に中小企業の場合、売り手はM&A後に引退したりする方が多いのでお金がないことがあります。
働いていないので払えないというのは想像に難しくないはずです。
表明保証に入れれば絶対安全というわけではなく、あくまで損害賠償請求できる状態になるだけであり
その金額が回収できるかは別の問題という事は忘れないようにしましょう。
表明保証に入れないで譲渡価格に反映する方が実は買い手にとってリスクが少ないですが
それは売り手が嫌がることが多いので、慎重に落としどころを探します。

⑶ 最終契約の締結

各条件交渉が終了したら、最終契約を締結していきます。
最終契約締結からクロージングまで、およびクロージング後についての
売り手・買い手の義務が誓約事項として規定されます。

ここで買い手は、売り手に対して表明保証とよばれるM&A契約に関わる事実関係や法律関係について
真実であること、正確であることの表明してもらうチャンスがあります。

この表明保証は、買い手のリスクを減らすために行われます。
主にデューデリジェンスで発見されなかった、あるいは発見したが具体的な対処ができなかった事項
などについて、売り手の立場で保証してもらうことで買い手のM&Aに対するリスクを減らすことができます。
限られた期間で行わざるをえないデューデリジェンスでは重要な事実関係や法律関係を
全て調査することは不可能であり、発見しても具体的な対処ができないこともあるためです。
デューデリジェンス業務は、その種類にもよりますが、基本的にあくまで調査であり
事実関係を確かめるまでは実施しないことがほとんどです。

⑷ クロージング準備

そのM&Aに沿った誓約事項や前提条件などの契約内容に従い
クロージングに向けた準備を行います。
具体的には、債権者保護手続きや株主総会の開催・決議、重要な従業員の転籍同意書の取得
重要な取引先の契約承継の同意、業法上の許認可の取得、非事業用資産の売主による買い取り
役員に対する借入金の返済などがあります。
これを適切に達成しないとクロージングができませんので注意が必要です。

ここでのポイント

最終契約書の締結とクロージング日が同日となる場合は、前もって必要書類を取り揃えておく必要があり
印鑑証明などは、忙しい中役所や法務局に取りに行かなくてはなりません。これが結構大変です。
成約日ギリギリになってしまうと、書類の入手が間に合わなくなる可能性も出てきます。
そのためチェックリストには、書類名だけではなく取得するスケジュールなども記載すると良いでしょう。
そしてそのスケジュールが実行可能かをちゃんと確認しましょう。

つまりここでのポイントは、クロージングをスムーズに行い、確実にM&Aを実行するため
クロージングに必要な事項を事前にスケジュールも併せて確認することです。
そのためには事前に双方でクロージングに必要となる項目・手続き・スケジュールを洗い出し
お互いに認識をあわせながら作業を進めることが重要です。
ここは売り手買い手で違いはありません。協力して遅滞なく進めていきましょう。


また重要物品については、売主・買主間で、クロージング当日に何を引き渡すかを事前に協議する必要があり
これについてもスケジュールの中に盛り込む必要があります。
小規模M&Aでは特にそうですが、従業員・取引先には事前告知しておくことをお奨めします。
買い手は特にキーマンやビジネスの根幹について絶対に確認しましょう。
従業員に告知するタイミングはここで問題ありませんが、キーマンはもう少し事前に
内密にコミュニケーションを取ることをオススメします。

他にも可能であれば最終契約締結前後に、重要取引先等とは買主も交え面談し
グリップしておくことを推奨します。

⑸ M&A対価の支払い、クロージング

M&Aにおけるクロージングとは、M&A取引の実行そのものを指します。
M&Aには様々なスキームがありますので、「M&A取引の実行」が具体的にどんな手続きを指すかは
スキームによって異なりますが、以下一般的なスキームの「株式譲渡」と「事業譲渡」
の場合のクロージングを一例として記載します。

「株式譲渡」の場合のクロージング:
売り手から買い手へ株式の譲渡がなされ、買い手から売り手へ株式の譲渡代金が支払われることを言います。
「事業譲渡」では、移管される資産・負債、権利義務について個別に移管手続を行い
資産によっては登記など第三者の承認を得ながら進めていく必要があるので
一定の日付でクロージングするものではないことが一般的です。
買い手から譲渡対価の受領を以ってクロージングとなります。
つまり最終契約書に基づくM&A取引が実行され、経営権の移転が完了し
その対価が支払われることをクロージングと言います。

前述の作業が全て完了し、譲渡対価の支払いや株式の譲渡などをすべて完了して
やっとクロージングを迎えます。
クロージング日においては、当事者間で、M&Aの実行・完了のために必要な書類の確認と
その書類の有効性などの確認、書類の署名押印の確認などが行われてから
譲渡の手続きとそれに対する譲渡代金の支払いが行われます。

最終契約日からクロージングまでは一定期間あけることも多いですが
契約日までにクロージングに必要な手続きがすべて終了している場合や
契約日後に必要な手続は適正に完結させることが前提で
契約日と同時にクロージングを実施する場合もあります。
基本的には売り手の内容と買い手で大きく変わりません。
しかし、買い手は買った後、同じ会社として運営していくので
買った後のことも考えて契約関係やクロージングなどについて丁寧に確認する必要があります。

ここでのポイント

いよいよ双方でクロージング書類を確認し、問題がなければ売り手へ対価を支払います。

しかしクロージングにおいて、当事者間で署名押印も含めた必要な書類がちゃんとそろっているか等
実施すべきクロージング前提が達成されているかの確認をします。
それらに漏れがあった場合、契約破棄しM&Aが失敗となる危険性があります。
また、クロージング手続きは、法的有効性を示すものにもなるため細心の注意払って行いましょう。
もしクロージング手続きに不備があると内容によっては、そもそもM&A自体が法的に無効
あるいはM&Aが失敗となってしまいます。

ここのポイントとして、クロージングでは、全ての手続・書類をまとめて丁寧に確認し
正確に抜け・漏れが無いように実施する必要があります。
確認不足により後でトラブルになることを事前にしっかりと防止しましょう。

買い手はM&A後が本当のスタートですので、きっちりスタートできるように
相手に任せっきりにすることなく確認していきましょう!
買った後は同じグループ内の会社ですからね!


結果、最終契約書を調印する締結日からクロージング日までは
一定の期間を空けることが多くなっております。
上記をふまえても、クロージングの前提条件が満たされなかった場合には
M&A取引を実行しない、またはクロージングの前提条件を変更することになります。


ここを終えればM&Aが成立となります!最後まで気を抜かずに
慎重かつスピーディーに対応していきましょう!
2024.01.16

売り手側における「クロージング手続き」

売り手側から見たクロージングは概ね下記の様になります。

⑴デューデリジェンスの実施の結果を踏まえて、最終条件交渉

⑵クロージング条件の設定

⑶最終契約の締結

⑷クロージング準備

⑸M&A対価の受領、クロージング

⑴ デューデリジェンスの実施の結果を踏まえて、最終条件交渉について

買い手は、デューデリジェンスで発見したリスクに基づいて
買収価格やM&Aスキームを見直し、売り手に対しリスク低減策の実行や
表明保証などの設定を要求してきます。
そのため売り手は、買い手の交渉内容に対して、事実関係の確認や譲歩する事項の範囲を慎重に検討しつつ
譲渡対価や従業員の待遇、事業の継続性など、売り手にとって大切な事項について最終確認・条件交渉をします。

ここでのポイント

今後の従業員の雇用が継続されるかどうか、給与水準や保険、待遇など
売り手にとって買い手に守ってほしい事項について交渉で明確にしておく必要があります。
またこの段階での条件交渉ではあまりに多くの譲渡の条件を追加で提示することは避ける方がよいでしょう。
なぜならこの段階での条件の追加は難しいことが多いためです。
すでに基本合意でまとまっているにも関わらず、条件を追加したり
再度の譲渡価額の交渉は、譲受企業に不信感を与えることになりかねません。
またこのような条件交渉は、対面でするのは双方言いたいことも言えず難しいことが多いので
仲介やアドバイザーに頼む方が結果的に交渉がスムーズにいきます。

ここでの大事なポイントは、M&Aで自分が何を重視しているか、相手が何を重視しているか
何を得るためにこのM&Aを検討しているか、改めて考えて、双方の本音を知ることです。

⑵ クロージング条件の設定

クロージングの前提条件とは、M&Aを実行する際に譲れない条件のことを言います。
具体的には、クロージング日までの誓約事項が履行されていることや
各種法律上の手続きが完了していること、業務上の許認可の取得がなされていることなどがあります。
それが実行されないとそもそもM&Aの意味をなさないためこのような条件を設定します。

一方の当事者がいずれかの前提条件に違反した場合、他方の当事者には契約を解除する
権利が与えられることになります。

ここでのポイント

ここでは、まず「クロージング条件」の設定が重要なポイントになります。
M&Aの最終契約の締結からクロージングまでは、クロージングの前提条件を満たすために必要な
手続きを行う必要があるため、それに要する一定期間を空けるのが一般的です。
ただし、最終契約締結日までにクロージングに必要な全ての手続きが完了している場合は
同日に実施することもあります。

クロージングと一口に言っても、実際にはさまざまな手続きが必要になります。
具体的には、重要な取引先との契約を承継するための同意の取得、事業に必要な許認可の取得
役員に対する借入金の返済などを行ったりします。
両者が安心・安全なM&A/事業承継を進められるために、実際の契約書では、譲渡価格等の条件だけでなく
クロージング条件や相手方に対する表明・保証、誓約事項等、数多くの事項について
特約として追加して定める必要があるため、通常の売買契約書に比べボリュームのある内容になります。

それらのクロージング条件が満たされた場合のみ、譲渡がなされます。
そのためクロージング条件を漏れなく設定して達成することと、その内容を契約書へ反映させることが
より良いM&A実現の大事なポイントです。

そして、その条件を反映させた最終契約書とは、M&Aの最終段階において締結される
当事者間の最終的な合意事項を定めた最も重要な契約書です。
最終契約書は、これまでの当事者の交渉を通じて確定した合意事項をすべて盛り込んだものです。
契約当事者の一方が最終契約書の内容に違反し、当該違反により他方当事者に損害が生じた場合には
当該違反をした当事者に対し、損害賠償請求ができる旨が定められた法的拘束力を持つ契約となります。
 
ここのポイントとして、必要な表明保証や各条件が適切に最終契約に反映されていることを必ず確認しましょう。契約書に記載がない条件はないものとされますので注意が必要です。

⑶ 最終契約の締結

各条件交渉が終了したら、最終契約を締結していきます。
最終契約締結からクロージングまで、およびクロージング後についての
売り手・買い手の義務が誓約事項として規定されます。

ここで売り手は、表明保証とよばれるM&A契約に関わる事実関係や法律関係について真実であること
正確であることの表明を求められます。
この売り手の表明保証は、主にデューデリジェンスで発見されなかった
あるいは発見したが具体的な対処ができなかった事項などについて、売り手の立場で保証し
買い手のリスクを減らすために行われます。
限られた期間で行わざるをえないデューデリジェンスでは重要な事実関係や法律関係を全てを
網羅的に調査することは不可能であり、発見しても具体的な対処ができないこともあるため
買い手を保護する目的で表明保証が設定されます。
そもそもデューデリジェンス業務は、あくまで調査であり
事実関係を確かめるまでは実施しないことがほとんどです。

⑷クロージング準備

そのM&Aに沿った誓約事項や前提条件などの契約内容に従い、クロージングに向けた準備を行います。
具体的には、債権者保護手続きや株主総会の開催・決議、重要な従業員の転籍同意書の取得
重要な取引先の契約承継の同意、業法上の許認可の取得、非事業用資産の売主による買い取り
役員に対する借入金の返済などがあります。
これを適切に達成しないとクロージングができませんので注意が必要です。

ここでのポイント

最終契約書の締結とクロージング日が同日となる場合は
前もって必要書類を取り揃えておく必要があり、印鑑証明などは、
本業で忙しい中、役所や法務局に取りに行かなくてはなりません。これが結構大変です。
成約日ギリギリになってしまうと、書類の入手が間に合わなくなる可能性も出てきます。
そのためチェックリストには、書類名だけではなく取得するスケジュールなども記載すると良いでしょう。
つまりここでのポイントは、クロージングをスムーズに行い、確実にM&Aを実行するため
クロージングに必要な事項を事前にスケジュールも併せて確認することです。
そのためには事前に双方でクロージングに必要となる項目・手続き・スケジュールを洗い出し
お互いに認識をあわせながら作業を進めることが重要です。

また重要物品については、売主・買主間で、クロージング当日に何を引き渡すかを事前に協議する必要があり
これについてもスケジュールの中に盛り込む必要があります。
小規模M&Aでは特にそうですが、従業員・取引先には事前告知しておくことをお奨めします。

クロージング後、キーパーソンとなる従業員や重要な取引先が離脱してしまっては
シナジー効果が大幅に削減されてしまう恐れがあります。
可能であれば最終契約締結前後に、キーパーソンと重要取引先とは買主も交え面談し
グリップしておくことを推奨します。

⑸M&A対価の受領、クロージング

M&Aにおけるクロージングとは、M&A取引の実行そのものを指します。
M&Aには様々なスキームがありますので、「M&A取引の実行」が具体的にどんな手続きを指すかは
スキームによって異なりますが、以下一般的なスキームの「株式譲渡」と「事業譲渡」の場合の
クロージングを一例として記載します。

「株式譲渡」の場合のクロージング:売り手から買い手へ株式の譲渡がなされ
買い手から売り手へ株式の譲渡代金が支払われることを言います。
「事業譲渡」では、移管される資産・負債、権利義務について個別に移管手続を行い
資産によっては登記など第三者の承認を得ながら進めていく必要があるので
一定の日付でクロージングするものではないことが一般的です。
買い手から譲渡対価の受領を以ってクロージングとなります。
つまり、最終契約書に基づくM&A取引が実行され、経営権の移転が完了し
その対価が支払われることをクロージングと言います。

前述の作業が全て完了し、譲渡対価の支払いや株式の譲渡などをすべて完了して
やっとクロージングを迎えます。
クロージング日においては、当事者間で、M&Aの実行・完了のために必要な書類の確認と
その書類の有効性などの確認、書類の署名押印の確認などが行われてから
譲渡の手続きとそれに対する譲渡代金の支払いが行われます。

最終契約日からクロージングまでは一定期間あけることも多いですが
契約日までにクロージングに必要な手続きがすべて終了している場合や
契約日後に必要な手続は適正に完結させることが前提で、契約日と同時にクロージングを
実施する場合もあります。

ここでのポイント

いよいよ双方でクロージング書類を確認し、問題がなければ売り手に対価が支払われます。

しかしクロージングにおいて、当事者間で署名押印も含めた必要な書類がちゃんとそろっているか等
実施すべきクロージング前提が達成されているかの確認をします。
それらに漏れがあった場合、契約破棄しM&Aが失敗となる危険性があります。
また、クロージング手続きは、法的有効性を示すものにもなるため細心の注意払って行いましょう。
もしクロージング手続きに不備があると内容によっては、そもそもM&A自体が法的に無効
あるいはM&Aが失敗となってしまいます。

ここのポイントとして、クロージングでは、全ての手続・書類をまとめて丁寧に確認し
正確に抜け・漏れが無いように実施する必要があります。
確認不足により後でトラブルになることを事前にしっかりと防止しましょう。

結果、最終契約書を調印する締結日からクロージング日までは、一定の期間を空けることが多くなっております。
上記をふまえても、クロージングの前提条件が満たされなかった場合には、M&A取引を実行しない
またはクロージングの前提条件を変更することになります。

ここを終えればM&Aが成立となります!最後まで気を抜かずに慎重かつスピーディーに対応していきましょう!

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