コラム

Column
2023.12.11

中小・零細企業のMAプロセスにおいて留意する債権・債務

売り手側が債権および債務に関する問題に注意する点はいくつかあります。
以下はその主なポイントです。

債権の評価とクレジットリスク
売り手は、自社が所有する債権を正確に評価する必要があります。
クレジットリスクや未収金のリスクを正確に把握し、買い手に提供する情報は
信頼性が重要です。

未回収債権と取引条件:
未回収債権がある場合、M&A契約でその取り決めが必要です。
取引条件や清算の際の取り決めについて明確な合意が必要です。

債務の明確な把握:
売り手は、自社の債務を十分に理解し
特に未清算の債務や未処理の請求書がないか確認する必要があります。
これには税務、法的な債務も含まれます。

過去の訴訟や紛争の確認:
過去の訴訟や紛争に関する情報を確認し
それが将来にわたって引き続き影響を及ぼす可能性があるかを確認します。

契約書との整合性:

債権や債務に関する契約書や法的文書を検証し
M&Aプロセスにおいてこれらの条件が適切に反映されていることを確認します。

調整条項の検討
M&A契約においては、調整条項が含まれることが一般的です。
債権や債務に関する調整事項を検討し、公正な評価を確保するために
交渉することが重要です。

税務上の影響の検討
売り手は債権や債務の売却が税務上どのような影響を及ぼすかを評価し
税務アドバイザーの協力を得て最適な構造を検討することが重要です。

デュー・ディリジェンスの実施
債権や債務に関するデュー・ディリジェンスを徹底的に行い
潜在的な問題を特定し、これに対処するプランを策定します。
これらの点に留意することで、売り手はM&Aプロセスにおいて
債権や債務に関するリスクを最小限に抑え、円滑な取引を進めることができます。
専門家の助言を受けながら進めることが重要です。

更新された財務記録
売り手はM&Aのプロセス中に、財務記録を適切かつ最新のものに保つ必要があります。
これには債権や債務に関連する取引の詳細が含まれ、正確な情報が得られるようにします。

法的および契約上の義務:
M&Aプロセス中に、債権や債務に関連する法的なおよび契約上の義務を
明示的に把握し、これに対処するための戦略を検討します。
これには契約の解釈、期日の厳守、および違反に対する対策が含まれます。

従業員への影響評価
債権や債務の変更が従業員に及ぼす可能性がある場合
従業員への影響を評価し、適切なコミュニケーション戦略を検討します。

クロージング条件の確認
債権や債務に関するクロージング条件を確認し
これが達成されるための条件を明確にします。
法的なアドバイザーとの連携

売り手は法的なアドバイザーと緊密に連携し
法的な問題や契約上の義務について十分なアドバイスを受けることが重要です。
これにより、法的なリスクを最小限に抑えることができます。

資産の所有権と担保の検

売り手は、債権が適切に担保されている場合や特定の資産に対する権利を確認します。

過去の財務状況の調査
過去の財務履歴(例: 売却、取得、貸借関係、個人保証)が
債権や債務に影響を与える可能性があるため、これらの履歴を詳細に調査します。
特に会社の債務を個人保証している場合その取扱い方(個人保証の解除など)については
買い手側と慎重に協議が必要です。